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子どもが「自分を育てる力」を育むために必要なこと

作成者: ELEMENT編集部|May 31, 2022 10:44:47 PM

分からないコトだらけから始まった音楽教室

こんにちは、村澤です。

私は普段、
ヒューマン・ビートボックスの魅力を
子供たちに伝える
音楽教室を開いています。

 

手前味噌になりますが、
生徒たちはこれまでに

様々なステージで共にショーをしたり
TVに特集されたり
全国大会で賞を勝ち取ったり

素晴らしい実績に加え、
華やかな景色をたくさん
プレゼントしてくれました。

 

最近も
オンラインでの全国大会で
優勝を飾るなど

先生である自分の予想を大きく超えて
皆んなとても立派に
そして伸び伸び育ってくれています。

 

しかし、
「子どもたちを伸び伸び育てる」
ことについては

最初から上手くいったわけでは
ありませんでした。

 

元々、独学で
ビートボックスの技術を
身につけたこともあり

 

自分で教室を始めてみたい!

 

と、思い立った頃
ビートボックスの教室や
ワークショップを開催している人は

全国的にも
まるで居ないという状況。

 

私の住む富山県にはもちろん
北陸、北信越エリア
(石川、福井、新潟、長野)でも

ビートボックスの教室は
どこにも
存在しなかったわけです。

 

つまり、
誰かに習った経験も無ければ

周りにお手本になる先生も
居ない状態ですから、
教え方がわかりません。

 

さらに、
子どもたちと触れ合ったことも
ありませんでしたから

 

子どもたちとの接し方も
わかりませんでした。

 

自分でもよくこんな状態で
教室がしたいなどと
思い立ったものだと
少し恥ずかしく思います(笑)。

 

皆さまは、
そんな先生のところに

可愛い我が子を
習いに行かせたいと思いますか(笑)?


結局、
なんの計画も無しに
教室をスタートしたものですから

授業は見事に
手探りの連続です。

 

当時、
私の頭の中は
ガチガチに固まっていましたから

世間体や体裁を気にして、
授業を真面目に受けない子
言うことを聞かない子に対して

ついつい
厳しく当たってしまっていました。

 

子どもたちの
自由でルールの無い言動の数々に

授業を振り回されまいと
心を折られまいと

感情的な対応をしたり
頭ごなしに命令したり

してしまっていたのです。

「伸び伸び」がもたらす爆発的な成長 

そんな調子でしたので、
ある時こんなことが起きました。

 

その日のレッスンは、
ひとつのフレーズを
奏でられるようになるまで
チャレンジしようという内容です。

 

そこに、
まだ始めてもいないのに

 

「出来ない!」

 

と言う子が居ました。

 

そこで当時の私は、
「出来るよ!」と言いながら

 

出来るまで、
何度も何度も
チャレンジさせました。

 

嫌な顔をしていても
何度も何度も、、。

 

「もうヤダ!」と言っても、
何度も何度も、、。

 

その内、
その子はなんとか
出来るようになりました。

 

さっきまで
出来なかったことが
出来るようになったわけですから
立派なものです。

 

しかし、ここで私が
余計なことをしました。

 

ずいぶん無理をして
頑張ってくれたおかげで
ようやく出来たにも関わらず

私の中で
あるレベルまで達して欲しかったという
思いがあったがために

 

「もっとやろう」

「限界を自分で決めないで」

「諦めるな」

 

と言って、
その子をさらに追い込んでしまいました。

 

結局その子は、
膝を抱えて、
塞ぎこんでしまいました。

 

これは、
可哀想なことをしました。

(その後は、親御さんに状況を説明し
一緒にアフターフォローをしてもらいました。)

 

その一件があり、
私はハッとしたのです。

 

そもそも
ヒューマン・ビートボックス自体
「遊び楽しむ文化」であり

私が囚われていた
社会性や、世間体、体裁、
真面目、努力、目標などは、

「遊び」とは

全く関係の無いものだと気付いたのです。

 

その時を境に、
私の教室スタイルは
まるっきり、反転しました。

 

やる気の無い子に対しては、

「やりたくない時は、
やらなくて良いよ」

と伝えますし、

 

レッスンの進行も、
子どもたちの主導で進めることが
多くなりました。

 

「これやりたい」

「こうしよう」

「こんなの見つけた」

 

というように、
子どもたちは遊びであれば

アイディアがどんどん出ますから
自発的に取り組んでくれます。


子どもたちのアイディアを
尊重しているため

レッスンの内容も
コロコロ変わります。 

 

でも全然大丈夫です。

 

だって、
遊びですから。


もしかすると、
習い事に通わせている
親御さんからすれば
面白くない話かもしれません。

 

少なからず先生を信頼して
通わせてくれているのに

先生が

「やらなくても良いよ」

なんて言うものですから。

 

お金を払っているんだから
しっかり教育してほしい!

 

という気持ちになる方も
いらっしゃるかもしれませんね。

 

ただ、
わかっていただきたいのは

子どもたちの意見を
否定せずに
ありのままを受け入れ

「やる、やらない」すら

子どもたちに任せるようになってから、

 

子どもたちが
自分で得意分野を見つけて、

自分で磨きあげるスピードが
明らかに上がったのです。


その結果、
先生である私の予想など遥かに超えた

脅威の結果を
生み出すことに繋がっていきます。


わたしの生徒さんで言えば、
これまでに
全国大会にチャレンジした子

もれなく全員、
入賞していますし、

オンラインで開催された
全国大会で優勝した子もいます。

 

正直言って
出来すぎていますが、
私は何もしていません。

強いて言えば
生徒の子たち自身が
もっとカッコ良くなるように

自ら工夫をしている過程を
一緒に楽しんでいたことです。

 

このことから、
今では子どもたちを育てる上で

本人が
「伸び伸び」過ごしていることが

その子の能力も
「伸び伸び」育っていく

ということを
確信しています。

「遊び」を通じて同じ世界を生きる

「子どものありのままを
 認めるのはわかったけど、

 うちの子は
 やりたいようにさせておくと、
 家でゲームばかりなんです」

 

そんなご家庭も
少なくないかもしれません。

 

それは、

自分の思い描く理想の子に育ってほしい。

という思いや、

 

視力や体力が低下するから
ゲームから離れてほしい。

 

と心配をされているのが
理由かもしれません。


ですが、
そういった方にこそ是非!

 

子どもたちと一緒に
ゲームをしてみることを
オススメしたいです!

 

別の言い方をすれば、
ゲームに限らず

子どもが好きな遊びを
一緒に遊んであげることや

好きなこと、
好きなものについて
話を聞いてあげることも
オススメです。

 

というのも、
自分が好きなものを
共有し合えること

大人も子どもも関係なく
幸せに感じることだからです。

本当に好きなこと
している時、

人はその世界に対して
目一杯心を
開いている状態ですから、

その状態において
周りの大人が同じ環境に
同じ目線で存在することで

子どもたちが初めて
見えてくるものや

初めて知ることが
出てきます。


ですから、
この先ずっと一緒にゲームを
しなければならない、
ということではありません。

 

子どもたちは
自分の好きなことに対して
共感をしてくれる人には
自ずと心を開きます。

 

そういった人に対しては
他の場面においても

様々な心の開き方
見せてくれるものです。

 

同じ環境、同じ情報を
同じ目線で共有すること
きっかけとして

子どもが持つ世界と
大人が持つ世界を同時に
ミックスアップ出来るわけです。

子どもの内にある「自分で育つ力」を開花させるには?

子どもへのこうした接し方に
名前がついていることを知ったのは、
最近になってのことです。

 

「子どもには自分で自分を教育する力がある」

 

というフレーズを
聞いたことはあるでしょうか?

 

これは、
主に幼児教育の手法として知られる、
【モンテッソーリ教育】という教育法です。


ビル・ゲイツや、
日本では将棋の藤井聡太棋士が
この教育法を受けたということで
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 

もっと言えば、

ラリー・ページとセルゲイ・ブリン(Google創業者)

ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)

マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)

ジミー・ウェールズ(Wikipedia創業者)

といった起業家だけでなく、



P.F.ドラッカー(経営学者)

バラク・オバマ(米国大統領)

クリントン夫妻(元米国大統領と国務長官)

 

など、世界を舞台に活躍する方々も
モンテッソーリ教育の出身者なのです。

 

モンテッソーリ教育が
大切にしていることは、

 

周りの大人や教師が
子どもの成長を見守り
子どもの主張を尊重すること。



そして、
子どもたちの知りたい欲求や、
興味を大切にすることです。

 

そのための環境を
用意してあげるだけで、

子どもたちが自らの感覚を洗練し、
情報吸収力観察力が増し

自分を思い通りに
コントロール出来るように育つ

というものです。

 

一般的に行なわれている教育のように、
必要以上に手を加えること
かえってその子の人生の
足枷になってしまうことも。

 

子どもは
自分を自分で育てる力が
はじめから備わっている。

 

それはつまり、

立派な自立への近道は
その人に最初から用意されているのだ

ということ。

 

ありのままで
あなたは素晴らしいのだということを


子どもに気付かせてあげることが
大人の役割であり
教育の真髄なのかもしれません。

 

この記事を書いた人

村澤博志
HumanBeatBoxer(ヒューマンビートボクサー)

富山を代表するヒューマンビートボクサーであり、
北陸唯一のビートボックス・インストラクターとして活動している。

富山県、石川県の保育園、小・中・高等学校などで、外部講師としてビートボックスの授業を行っている。また、福祉施設や様々なイベントでワークショップを開催し、ビートボックスの魅力を幅広く伝えている。

幼少期から霊障(霊の憑依による体調不良)を体験しながら育ち、数奇な運命に導かれる。
ミュージシャン / インストラクターとしても順調だったころ、仮想通貨詐欺で多額の借金を背負い、自己破産を決断。

自殺が頭をよぎり人生のどん底を味わうが、datumグループが提供する和の叡智の実践講座『エンペラーコード』と出会い、人生の逆転を体験する。

過去に学んだ易経やカバラなどのすべての教えの元は日本の叡智にあることを知り、祓い・鎮魂を実践する中で、言霊の力を確信。

現在は、自らの人生を変えた和の叡智を日本と世界の人々まで届けるべく、datum houseのライターとしても活躍する。