さらなる批判を覚悟で、
あえていいましょう。
ほとんどの日本人にとって、
西洋型の成功法則で成果を出すのはむずかしい
と私は考えています。
自己啓発、成功哲学
といわれる情報の多くが、西洋生まれです。
これらの成功法則や
メソッドを実践している方、
また教える側にいる方からは、
「何を言ってるんだ。けしからん!」
とお叱りを受けるかもしれませんが、
仕方ありません。
従来の成功法則は、日本人には向いていない。
これは、西洋型の成功法則を
長年研究してきた私の率直な結論です。
もちろん、
その恩恵があったからこそ、
それなりに意義のある時間を
過ごすことはできました。
以前ご紹介したIさんも、それにより
多くの人があこがれるような
いわゆる「成功」をつかんでいるわけです。
こうした従来の成功法則には
心から感謝していますし、
西洋型の成功法則を
全否定しているわけでは決してありません。
どれも、素晴らしい成果を
挙げられる可能性を秘めています。
けれどもそのIさんのように、
いったんは成功したものの、
身近な人間の裏切りによって
奈落の底に突き落とされた
という方々も少なくありません。
また、さまざまな
法則やメソッドを学んでいるのに、
人生に生かせない人が
多くいることも確かです。
こうしたメソッドの信奉者に
その理由を聞くと、
よくこんな答えが返ってきます。
「本気度(熱意、真剣さ)が足りないからだ」
「書いてあることは正しいが、
やり方が間違っているせいだ」と。
しかし、本当にそうでしょうか。
私の周りには、熱心かつ真面目に
取り組んでいる人は大勢いました。
それにもかかわらず、
全員が目覚ましい成果を
出せたわけではありません。
真の理由は
大きく分けて2つあると、私は考えます。
ひとつは、日本人と西洋人は、
根本的に違うということです。
一般的にいわれることですが、
西洋人は獲物を狩ることで生きてきた「狩猟民族」、
日本人は協力し合い
作物を育ててきた「農耕民族」です。
生活が西洋化してきた
現代においても、
この違いは、
われわれの精神性に大きな影響を与えています。
先祖の歴史も
メンタリティも違う民族に有効だった手段を、
私たち日本人に適用することに
無理があるのは当然ではないでしょうか。
西洋型の成功法則が
うまくいかないもうひとつの理由は、
先に潜在意識の
ゴミを祓わないということにあります。
いくらテクニックや
思考法を上塗りしても、
潜在意識に
ネガティブなエネルギーが残ったままでは
結果が出るはずがありません。
たとえば、あなたが
「成功したい」
「願いを叶えたい」
と望んだとしましょう。
しかし、それは、
まだ自分が成功していないということ。
その深層心理の奥底には、
不安や焦り、不足感や怖れが潜んでいます。
西洋型の成功法則では、
それを放置したまま、
目標を紙に書いて唱えたり、
イメージを視覚化したりします。
いってみれば、
雑多な落書きを消すことなく、
その上に自分の思った絵を
描こうとするようなものです。
それでは、美しい絵が
完成するはずもありません。
著者 : 大野靖志(本名 : 小野寺潤)
宮城県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ユダヤ教をはじめ世界各国の宗教と民間伝承を研究後、白川神道、
言霊布斗麻邇の行を通じ、新たな世界観に目覚める。
現在は、多彩な執筆活動と並行して、一般社団法人白川学館理事、
ラボラトリオ株式会社代表取締役、neten株式会社顧問を務め、
日本と米国に意識変容のためのデジタル技術を普及すべく、
東京と山梨を拠点に、さまざまなプロジェクトに力を入れている。
大野靖志(おおの・やすし)として著書『成功の秘密にアクセスできるギャラクシー・コード』
『あなたの人生に奇跡をもたらす 和の成功法則』
『願いをかなえるお清めCDブック』(サンマーク出版)、
『とほかみえみため~神につながる究極のことだま~』(和器出版)などがある。