近年、日本人のライフスタイルや
考え方はいちじるしく西洋化してきました。
しかし、
どんなに時代が変わっても、
日本人の魂には調和を尊ぶ
「和」の心が刻み込まれている。
私はそう思います。
東日本大震災で被災した方たちが
秩序を守り助け合う姿は、
世界から賞賛を浴びました。
この事実を取っても、
日本人の心には助け合いと
調和の精神が息づいているといえるでしょう。
寛容で平和的な日本人は、
古くから「和」を大事にしてきました。
また、
「困ったときはお互い様」
という言葉に象徴されるように、
相互扶助の精神をもちつづけてきました。
これは、狭い国土の中で、
天災の多い環境を生きてきた日本人の知恵です。
かたや西洋諸国では、
災害時に略奪や強盗が
多発したという報道が多く聞かれます。
その背景には、
貧困や差別の問題もあるため、
一概に断ずることはできませんし、
もちろんすべての人が
反社会的行為をするわけでもありません。
しかし、西洋の方々と
日本人の間に意識の違いがあることは、
明白ではないでしょうか。
また、西洋人は日本人に比べて、
「和」よりも「個」に重きを置きます。
彼らは個性や独自性を大切にしますし、
意見を主張する姿勢や
アグレッシブな考え方が身についている。
この見解には
多くの人が同意するはずです。
西洋人と日本人の違いを理解するうえで、
宗教的背景も見逃すことはできません。
西洋では一般的に、
人間には原罪があると考える
キリスト教を信仰しています。
キリスト教は、
唯一神を信仰する「一神教」です。
一方、日本人の心には
八百万の神や仏教の仏たちなど、
多くの聖なる存在が深く根づいています。
同時に、
クリスマスを盛大に祝うことでもわかるように、
キリスト教も受け入れる大らかさがあります。
私が研究してきた西洋型成功法則の多くは、
「成功すること」
「稼ぐこと」
「勝ち組になること」
にフォーカスしていました。
もちろん、
それが悪いわけではありません。
しかし、極論かもしれませんが
いってしまえば、それらは
「自分自身の成功」
のみを追い求めるものです。
われわれ日本人に、
他人と競争し、
勝つことで成功を手にする
西洋型の成功法則がフィットするのか
大いに疑問です。
そして、従来の成功法則は、
私たちのような民族の心に、
どこかゆがみを
もたらしてしまうのではないかと
危惧しているのです。
著者 : 大野靖志(本名 : 小野寺潤)
宮城県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ユダヤ教をはじめ世界各国の宗教と民間伝承を研究後、白川神道、
言霊布斗麻邇の行を通じ、新たな世界観に目覚める。
現在は、多彩な執筆活動と並行して、一般社団法人白川学館理事、
ラボラトリオ株式会社代表取締役、neten株式会社顧問を務め、
日本と米国に意識変容のためのデジタル技術を普及すべく、
東京と山梨を拠点に、さまざまなプロジェクトに力を入れている。
大野靖志(おおの・やすし)として著書『成功の秘密にアクセスできるギャラクシー・コード』
『あなたの人生に奇跡をもたらす 和の成功法則』
『願いをかなえるお清めCDブック』(サンマーク出版)、
『とほかみえみため~神につながる究極のことだま~』(和器出版)などがある。