言葉が現実を作ると考えてきたのは、
日本人だけではありません。
どの民族や文化、宗教でも、
言葉の力を伝えてきました。
たとえば、新約聖書の
「ヨハネによる福音書」の一節
「はじめに言葉ありき」は、
あまりにも有名です。
また旧約聖書の「創世記」では、
神が「光あれ」と「言葉」を発したことで、
この世界が始まっています。
イエス・キリストも「言葉」によって、
さまざまな奇跡を起こしました。
彼は、不思議な霊力を使って
奇跡を起こしたと考えられていますが、
じつは違います。
水をワインに変えたのも、
病の人を癒したのも、
ときには死者をよみがえらせたのも、
すべて「言葉」にして言ったからです。
聖書の時代、
まだ西洋と東洋の境界はあいまいで、
どの地域においても
言霊は現代よりも大きな力をもっていました。
キリストの奇跡が
言葉によってもたらされたのも、
当然のことだといえます。
いま私たちも、たとえば
体調が悪いときや痛みがあるとき、
「大丈夫、大丈夫」と声をかけたり、
あるいは自分でそのように言い聞かせたりします。
また、カメラマンが被写体の女性に
「いいね」「かわいいよ」と声をかけると、
女性の表情が次第にイキイキしはじめ、
最後は別人のようになっていきます。
これも、言霊の力です。
人は言葉によって
元気にもなり、美しくもなります。
人間がその力を意識していなくても、
言霊は、最高のヒーリング効果、
美容効果を発揮しているのです。
そもそも、
人間のあらゆるいとなみは、
言葉があって
初めて成り立っています。
もし言葉をもたなかったとしたら、
人はどのような生活を送っていたでしょうか。
自然界でひ弱な存在である私たちが
ここまでの繁栄を築けたのは、
言葉でものを考え、
コミュニケーションを取り、
協力し合ってきたからに他なりません。
どんな発明も、
まず言葉で発想し、試行錯誤を重ね、
初めて現実のものとなります。
また、政治、経済、産業、文化活動など、
言葉なしで成立するものは何ひとつありません。
「思考は現実化する」
という考え方がありますが、
これは半分正しく、半分間違っています。
正しくは、「“言葉”は現実化する」のです。
なぜかは言うまでもありません。
思考は「言葉」によってなされるからです。
たとえば、
「海」を思い浮かべようとしたら、
「海」という言葉がまず頭に浮かびますね。
同じように、
成功している自分の姿を
イメージしようと思ったら、
自分がありたい姿が
どんな状態かを、まず言語化します。
私たちの世界は、
「まず言葉ありき」なのです。
言霊は、火や水のように
目には見えません。
しかし、必ず存在します。
しかも私たちは、
その力を自由に操れます。
目には見えない言霊の存在が、
誰の目にも明らかになった「奇跡」があります。
言霊の力で、
稲の害虫であるバッタを
一夜にして駆除できたのです。
詳細はこうです。
2006年、新農法の実験のひとつとして、
言霊を使って稲の害虫駆除をする
という計画が持ち上がりました。
害虫といえど、ひとつの命。
退治するのは、
生命すべてを尊ぶ神道の教えに反します。
私たちの研究所では
いったん断ったものの、
再三の要請を受け
「一度だけ」という約束で実験に協力しました。
その結果は驚くべきものでした。
ある区画だけに
害虫を駆除する言霊を流したところ、
翌朝、田んぼに多数いたバッタが
すべてミイラ化していたのです。
これは当時の農業雑誌に
写真とともに掲載され、話題を呼びました。
こんなケースもありました。
ある農家が、
ビニールハウスに地中から侵入してくる
モグラの害に困っていました。
そこで、
ビニールハウスの周囲に言霊を流し
「結界」を張ったところ、
モグラがそこから
引き返した跡があったのです。
モグラが土を掘り進んだ跡は、
トンネルのように盛り上がります。
翌朝ビニールハウスへ行くと、
モグラが「U」の字を描いて、
文字通りUターンした跡が残っていたそうです。
例を挙げるとキリがありませんが、
他にも、イノシシの害に遭っていた農家が
畑を荒らされなくなったケースなども報告されています。
言霊が確実に、
現実世界に作用していることが
おわかりいただけたと思います。
言霊のように目には見えないものを
「非科学的だ」と否定する方もいるでしょう。
しかし調べてみると、
このように裏付けとなるデータが存在し、
多くの実験結果が実証しているのです。
だったら、
言霊の力を使わない手はない。
この結果を見たとき、あらためてそう考えました。
バッタやモグラの例は
わかりやすい形として可視化できましたが、
目には見えなくても、
言霊は4次元のあらゆるところに影響します。
たとえば、
黒い絵の具をコップの水に溶かしたら、
当然黒い水になります。
この絵の具が言霊の力を表すとしましょう。
つぎにそのコップに入った黒い水を、
プールの水に溶かしたらどうなるでしょう。
水の色は透明のままですが、
黒い絵の具の成分が消えたわけではありません。
目には見えなくても、
プールの中にはしっかり存在しています。
逆に、あらゆるところに
絵の具の成分が行き渡り、
エネルギーを発することになります。
言霊は、このようなしくみで
普遍的に存在し、働いていると考えてください。
著者 : 大野靖志(本名 : 小野寺潤)
宮城県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ユダヤ教をはじめ世界各国の宗教と民間伝承を研究後、白川神道、
言霊布斗麻邇の行を通じ、新たな世界観に目覚める。
現在は、多彩な執筆活動と並行して、一般社団法人白川学館理事、
ラボラトリオ株式会社代表取締役、neten株式会社顧問を務め、
日本と米国に意識変容のためのデジタル技術を普及すべく、
東京と山梨を拠点に、さまざまなプロジェクトに力を入れている。
大野靖志(おおの・やすし)として著書『成功の秘密にアクセスできるギャラクシー・コード』
『あなたの人生に奇跡をもたらす 和の成功法則』
『願いをかなえるお清めCDブック』(サンマーク出版)、
『とほかみえみため~神につながる究極のことだま~』(和器出版)などがある。