では、なぜ「公」で生きると「私」がかなうのか。
普段私たちは、
自分と他者を切り離して考えています。
一人ひとり肉体をもっている以上、
これは当然かもしれません。
しかし5次元においては、
すべての存在がつながっています。
ということは、
自分の幸せをどう追求するかが、
他者にも影響を及ぼすことになります。
また、
他者の成功を応援することが
自分自身の成功にもつながるのです。
心理学者マズローは、
人間の欲求には次の5段階があり、
第一欲求から順に実現しながら、
最終的には自己実現を目指していくと唱えました。
第一欲求(生理的欲求) → 第二欲求(安全欲求) → 第三欲求(社会的欲求) → 第四欲求(尊厳欲求/承認欲求) →第五欲求(自己実現欲求)
これは非常に有名な概念なので、
あなたもピラミッド形になった5段階図を
見たことがあるかもしれません。
しかし晩年、彼は自己実現の先に、
人間には第六の欲求があると発表したのです。
それは「自己超越」の欲求です。
自己超越こそ、
「公」の視点で生きること。
我欲を越えて、
自分と他者がともに成功していくことを
目指す生き方です。
自己超越の段階では
すべてを超越しているので、
「自分が稼ぎたい」とか
「自分を認めてもらおう」という
小欲から自由になれます。
また、誰が何をしていようがおかまいなく、
なんと批評・批判されようとも気にすることなく、
ただ使命に向かって邁進できます。
それも、
自分ひとりの成功ではなく、
一緒にいる仲間と同じ志をもって
実現させていく成功です。
この生き方が楽しくないはずがありません。
自分ひとりの
目標や成功を目指す「自己実現」はもう古い。
しかも、
自己超越を最初から目指したほうが
早く真の成功へたどり着ける……
だとしたら、「自己超越」こそ、
これからわれわれが目指す生き方だと私は思います。
そして、「公」の視点に立てば、それが可能になるのです。
「『公』のために時間やお金を使うと、損をする」
「自分にはそんな余裕がない。成功したあとの話だ」
その言葉の裏には、こんな思いが隠れているかもしれません。
「できれば、損はしたくない」
「人に何かをするのは、まず自分が得をしてからだ」
しかし、
「公」のために損をする覚悟があると、
得がついてきます。
しかも、何倍にもなって。
逆に、損を覚悟でやったことで
得をしないほうがむずかしいくらいです。
すでにお話ししましたが、
良いことと悪いこと、
どちらか一方だけが起きるということは、
4次元に生きている限りあり得ません。
なぜかというと、
人間は意識の進化と成長のために、
この4次元で生きているからです。
意識を成長させるためには、
試練や課題も必要です。
それが、人間から見ると
「思い通りにならないこと」や
「嫌なこと」「不幸なこと」の場合があるのです。
でもそれを乗り越えると、
必ず成長というごほうびがあります。
このしくみを理解すれば、
まったく違う人生が展開されていくでしょう。
嫌なことがあっても、
批判や中傷を受けても、大丈夫。
「コインの裏」が出たら、
そこに付随する感情をしっかり祓いましょう。
すると、
「成長」という「コインの表」が
ちゃんと見えてくるので、気になりません。
また、「どうせ成功する」と知っているから、
たとえいま、
成功といえる人生を送っていなくても
焦らなくてよくなります。
肩に力を入れてがんばってしまうことが無駄だとわかり、
リラックスできるようになるはずです。
すると、
自分のやりたいこと、やるべきことに
自然体で集中できるようになります。
いかがですか?
カメラのアングルが変わるように、
いままで見ていた世界と
まったく異なる世界が
目の前に広がっているのではないでしょうか。
この世界観がわかってくると、
日々のアクシデントも
余裕をもって楽しめるようになっていきます。
もし嫌なことが起きたとしても、
テーマパークのちょっと怖いアトラクションを
楽しむような感覚です。
「つぎは、どんなキャラクターが出てくるんだろう」
と、ゲームを楽しむように、
起きた出来事に対処できるようになります。
逆に、
いいことが起きても有頂天にならず、
淡々とやるべきことに集中できます。
自分の状況を
高い視点から俯瞰できるようになるので、
感情や思い込みに振りまわされることなく、
どんなときも最善の道を選べるようになるのです。
このように、考え方ひとつで、出来事の意味は変わります。
あなたは普段、起きた出来事に
「いい・悪い」のレッテルを貼ってはいないでしょうか。
しかし本来、
出来事そのものに善も悪もありません。
たとえば、
車で事故を起こしたら「悪いこと」です。
しかし、その事故のせいで
飛行機に乗り遅れ、
その飛行機が墜落事故を起こしたとしたら、
交通事故は「いいこと」に変わります。
また、ケガをしたら「悪いこと」ですが、
入院先で結婚相手と知り合ったとしたら、
「いいこと」です。
こんな例は、日常にいくらでもあります。
そもそも、
5次元は「何でもあり」の世界なので、
善悪の判断すら存在しないのです。
ですから、
言霊を発すれば、「そのまま」実現するわけです。
たとえ、一見ネガティブなことが起きたとしても、
固定観念によって、良し悪しを判断するのではなく、
起きたことを淡々と祓っていく。
こうすると、
二項対立の価値観から自由になり
エネルギーが統合されます。
また、5次元へのアクセスが加速し、
階層も一気に上昇していきます。
だからいま私は、
「ネガティブな出来事が起きたら、チャンス到来!」と考えます。
一つひとつの出来事を、
人生の「波」だと考えてください。
2章で、鎮魂法をおこなうと、
波が起こせるようになるとお話ししました。
波が上下に揺れるように、
現実を作る波にも「良いこと」と「悪いこと」と
思われる2つの波があります。
そして、2つの波は交互にやってきます。
つまり悪い波が来たら、
次は良い波が来るわけです。
「和の成功法則」の世界には
「逆吉の技」という言葉があります。
悪いことが起きても、
祓いによって「吉」に変えられるということです。
大きなトラブルやネガティブな出来事ほど
大きな波が起きるわけですから、
それに見合った大きな「吉」が来るのです。
悪い波が来たときに
「ちぇっ、ついてない!」とふてくされるのか、
「よし、チャンス到来!」と適切に対処し、
次への準備を進めるのか。
どちらをとるかで、
次に来る波の高さも時期も
大きく変わってくるということです。
著者 : 大野靖志(本名 : 小野寺潤)
宮城県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ユダヤ教をはじめ世界各国の宗教と民間伝承を研究後、白川神道、
言霊布斗麻邇の行を通じ、新たな世界観に目覚める。
現在は、多彩な執筆活動と並行して、一般社団法人白川学館理事、
ラボラトリオ株式会社代表取締役、neten株式会社顧問を務め、
日本と米国に意識変容のためのデジタル技術を普及すべく、
東京と山梨を拠点に、さまざまなプロジェクトに力を入れている。
大野靖志(おおの・やすし)として著書『成功の秘密にアクセスできるギャラクシー・コード』
『あなたの人生に奇跡をもたらす 和の成功法則』
『願いをかなえるお清めCDブック』(サンマーク出版)、
『とほかみえみため~神につながる究極のことだま~』(和器出版)などがある。