空海の真言と日本語五十音に秘められた力

鳥居

こんにちは。
Element編集部です。

前回の記事
密教ってなに?空海の学びと2つの特徴
はお読みになりましたか?

 

密教とは、その名の通り「秘密の教え」

 

大日如来が説いた深遠な教義を
師から弟子へと伝えていく仏教のこと。

 

前回の記事では、

その深淵な教えである密教と
他の仏教との違いとなる
「マンダラ」についてお伝えしました。

このマンダラこそが、
密教の秘密の智恵を明らかにし、

あなたの人生や、
混沌とした社会に
活かすカギになるようです。

今回はその智恵の活かし方を
意識の本質の探求を続ける
内海さんにお伺いしました。

ぜひ最後までお読みください。

 

お話をしてくれた人

内海昭徳
株式会社ロンズデーライト代表取締役
neten株式会社客員研究員

筑波大学で国際関係学、京都大学大学院で政治哲学・社会経済学を専攻。
9/11テロを機に、人間の根本的な意識進化の必要性を感じ、大学院を中退。
世界の真相と人間の意識の本質の探求を深める中で、メタ認識次元の叡智を掴み、科学と悟りの知恵を融合した人間開発と社会変革に長年取り組む。

北米への事業の新規展開を担う過程で、2018年サンフランシスコで開催されたwisdom2.0に日本人初のエントリースピーカーとして登壇。
シリコンバレーを中心に、テクノロジーの進歩と並走できる宇宙の普遍的真理の社会実装ニーズの高まりを予見し、独立。
コンサルティングや組織研修、講演会、リトリート、ワークショップなど様々に取り組んでいる。

経営・人事・教育など、これからの時代の「人的資本経営」に関心を持つ企業人が集う企業エキシビジョン「ヒューマンキャピタル・ラーニングイノベーション」(主催 : 日経新聞、日経BP)に出展した。

著書:新刊『タオ・リズム』
『経営者のための悟りリテラシー講座』『タナトスの寂滅』ほか

秘密の教え。「密教」のカギとは?

Close up image of business person holding shining key

密教、すなわち
読んで字のごとく「秘密の教え」

ではいったい、

何が秘密なのか?
なぜ秘密なのか?

どのようして、
その秘密の智恵を明らかにし、

人生に、世の中に
活かすことができるのか?


そういったことに対して、
大きく一括りに答えてしまうなら

「その鍵は「マンダラ」にあり」

というのが、私の一つの捉え方であり、答え方です。


日本の真言密教では
胎蔵界と金剛界のマンダラが有名ですが

今なお密教の教えが残る
もうひとつの国、チベットでは、
また違う絵柄のマンダラがあったりします。

密教でいうマンダラは、
絵画的なものだけではなく、
文字や音、色、仏具や仏像を象徴として
見立てるものでもあり

本質的に言えば、
この現実世界そのものが
真理でありマンダラである、という

パッと聞いても、ちょっと
頭にハテナがついてしまうようなことでもあるのです。

宇宙創造のシステムを現実に活用する叡智とは?

world on a chessboard isolated on blue sky background. Elements of this image furnished by NASA

私の言葉でいうなら、マンダラとは、
「システム宇宙論」とでも呼ぶべきもので

宇宙の創造進化のシステム
多様な表現でもって形象化したものです。


それは、日常的に見たり聞いたりしている
周りにあるいろんなものの背後に
いつも作用している働きなのですが、

その見えざる働きを「観る目」
開かれていないうちは、
まるで秘されていて、気づくこともない。

けれども、一度その秘密の叡智を
「観る目」が開けば、
その「秘密の教え」は様々に、気づきや
意識の拡張をもたらしてくれるものでもあります。


空海の場合は、その働きを
現実世界に生かす智恵こそが「真言」でした。

しかしながら、インド由来の密教を
中国で恵果和尚から受け継いだ空海は

梵字(悉曇文字)による
真言の働きを発動させて
加持祈祷を行なっていましたので、

私たち日本人がその言葉を
聞いても、当然ながら
梵字を勉強していないと、意味はわかりません。

ですが、空海の真言による加持祈祷は

天地を動かし、
時の政局にも甚大な影響を与えるほどの
事象を引き起こしたとも言われるように、

梵字に秘された真言の
その見えざる力は確実に、
当時も、それ以降も、日本の中枢にあって
世のため人のため、大なる働きをしてきたのだと思います。

日本語五十音に秘められた宇宙創造の力

Fall foliage at Eikando Temple in Kyoto, Japan.

さて、空海については
日本各地で様々な
伝説や伝承が残されていますが、

その中の一つに、
空海が日本語五十音
常用文字の成り立ちに関わっていた、というものがあります。


密教でも、梵字を仏教の諸仏に対応させる
「一字一仏」、という捉え方がありますが、

神代文字以来の整然とした
日本語五十音には、秘められた、
宇宙のシステムに綺麗に対応する音の響きがある

それを直知した空海は、
日本語五十音の真言の力を
後世まで活かせるよう、自分の能力を
そちらに振り向けようとしたのかもしれません。


日本語の一音一音が持つ
秘められた力と、宇宙の創造進化のシステムとの対応

それは、空海以後も
多くの先人たちの意志のバトンが
脈々と受け継がれ、

現代にあってついに、
データム・グループが提唱する
日本語五十音の「五十音(五十神)マンダラ」として完成に至っています。

 

「力をも入れずして、天地を動かす。」

 

宇宙自然と共振する言霊の真髄と、
それと三位一体をなす、祓い・鎮魂の教え

密教と白川神道の叡智の接点から、
この混沌とした時代に、それらを
人生や世の中に生かすための要点を、
3本目となる次回の最後の記事で、触れてみたいと思います。

(次回に続く)

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