「公を生きること」とSDGs(持続可能な開発目標)の大切な繋がり

持続可能

こんにちは。
Element編集部です。

今回は、
SDGs(持続可能な開発目標)の達成と
「公を生きること」の大切な繋がりを

科学と悟りの知恵を融合した
人間開発と社会変革に長年取り組む
内海さんにお伺いしました。

最近よく耳にするSDGsとは、
「持続可能な開発目標」のことで、

2021年のダボス会議のテーマであった
『グレートリセット』を実現する

「経済性のリ・デザイン」

のためのキーワードとして登場しました。

サステナブル(持続可能)な
取り組みをする企業のほうが

消費者の共感を得られ、
そこに経済合理性が生まれる。

というのが
「経済性のリ・デザイン」の着眼点であり

それを企業活動に据えるために
具体的な目標として提唱されているのが
SDGs(持続可能な開発目標)です。

以前からdatumグループでは、
白川の宮中祭祀の祈りにはじまる、

「祓い、鎮魂、言霊」こそが、
世界に持続可能な社会をもたらす根幹となることを
いろいろな言葉や製品開発を通じてお伝えしてきました。

そしてまさに今、
SDGs(持続可能な開発目標)が
世界中で叫ばれるようになり、

「持続可能な世界」を創ることに貢献する
企業の製品やサービスを購入する消費者行動然り、

そういった企業に投資するという
お金の動き然り、

すべての動きが
「持続可能な世界の実現」を中心に回りはじめています。

そして、
この大きな転換(グレートリセット)は、
日本人にとって逆吉の大きなチャンスになります。

なぜなら、
その底流に求められている要素は、

日本と日本人にとっては、
実は、はるか昔から
馴染み深いものだからです。

公の階層の視点を持った活動が、
企業だけでなく個人レベルで求められる未来。

そのために必要な
「あり方」を取り戻すための、
大切な考え方をご紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

 

お話をしてくれた人

内海昭徳
株式会社ロンズデーライト代表取締役
neten株式会社客員研究員
天籟株式会社 取締役副社長兼CLO(Chief Learning Officer)

筑波大学で国際関係学、京都大学大学院で政治哲学・社会経済学を専攻。
9/11テロを機に、人間の根本的な意識進化の必要性を感じ、大学院を中退。
世界の真相と人間の意識の本質の探求を深める中で、メタ認識次元の叡智を掴み、科学と悟りの知恵を融合した人間開発と社会変革に長年取り組む。

北米への事業の新規展開を担う過程で、2018年サンフランシスコで開催されたwisdom2.0に日本人初のエントリースピーカーとして登壇。
シリコンバレーを中心に、テクノロジーの進歩と並走できる宇宙の普遍的真理の社会実装ニーズの高まりを予見し、独立。
コンサルティングや組織研修、講演会、リトリート、ワークショップなど様々に取り組んでいる。

経営・人事・教育など、これからの時代の「人的資本経営」に関心を持つ企業人が集う企業エキシビジョン「ヒューマンキャピタル・ラーニングイノベーション」(主催 : 日経新聞、日経BP)に出展した。

著書:新刊『タオ・リズム』
『経営者のための悟りリテラシー講座』『タナトスの寂滅』ほか

持続可能な未来に向けたリセット

Blue colour bokeh abstract light background. Illustration

今回は、これからの社会経済の変容
大きな方向性について考えてみたいと思います。

コロナをきっかけとした
文明規模の転換について、

2021年のダボス会議では
「グレート・リセット」という
テーマが提示されていました。

ダボス会議は延期決定を重ねて、
結局中止となりましたが、

このコンセプトは、
今の時代の社会経済の
大きな潮流を象徴していると思います。

 世界経済フォーラム創設者の
クラウス・シュワブの著書
『グレート・リセット』を再読してみると、

持続可能な未来に向けた
経済や産業のリセットについて、
多くのページが割かれています。

また近年、
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を
見聞きする機会がとみに増えましたが

それは当然ながら、
アフターコロナの経済や産業のパラダイム転換と、
密接な関わりを持っています。

環境と経済の持続可能性や発展性を考えると、
いわゆる弱肉強食型の
強欲株主資本主義では到底成り立ちません。

そこで、環境を含め、
関わる人々全てに益する

新たな仕組みやビジョンへの
「グレート・リセット」が喧伝されたわけですが

ふと考えてみれば、
その底流に求められている要素は、

日本と日本人にとっては、
実は、はるか昔から
馴染み深いものでもあった気がします。

「公への視座」と「グレートリセット」

Frenzy of fireworks

いわく、人と環境・生態系全体の共生共栄や、
ステークホルダー資本主義、公益資本主義、などなど。

それらは、
「私(個人主義)」の欲望や利益優先ではなく、

人や組織、地域社会、動植物、
そして自然に宿る神々までを含めた

「公」への視座を持っていた
日本の文化風土からすれば、
全くもって目新しいものではありません。

むしろ逆に言えば、

ようやっと西洋近代文明が
その日本古来のあるべき座標に近づいてきた、
というようにも見て取れます。

別の言い方をするなら、
「グレート・リセット」というコンセプトは、
単に行き詰まった時代状況の打開案ではなく

もう一つ深い階層から見てみれば、
経済社会や人、環境全体への
「逆吉のチャンス」たり得る、ということです。

そしてそれは、
もともと「私」よりも「公」を大切にする

日本の文化風土を
現代風に具体的にアップデートさせ、

実社会に有用な知恵やツール、
概念、仕組みにする挑戦が求められる、
という意味でもあります。

「公」という中心に戻る道

Red colour bokeh abstract light background. Illustration-1

そう思いつつ、翻って
このデータム・グループの歩みを考えてみると

そもそも前代表 七澤賢治の創業時から
「公の階層」の視点を持った活動として始まり、
「公への貢献」を中心に事業を展開してきた、
という事実に思い至ります。

いわば時代に10年、20年と先駆けて、
その先例となる様々な取り組みを実践し続けてきた、
とも解釈できるでしょう。

さてそれならば、
次のように発想の転換ができるのではないかと思うのです。

すなわち、
「グレート・リセット」やSDGsという
言葉と概念のように、

欧米社会が由来で
その潮流に合わせて変化を余儀なくされる、
ということではなく

逆に、「公への貢献」を中心軸として
日本の深い叡智を実際の教育、社会、事業、経済に
既に実践し続けてきたその蓄積を、認識の基点として据えてみる。

そうしてみると、ステークホルダー資本主義、
パーパス経営、事業ポートフォリオの再構築や
経済性のリ・デザイン、ルールシェイパー、などなど

横文字の立ち並ぶ「グレート・リセット」時代の
経済社会や組織変容の方向性ということも、
それぞれ次のように再解釈できます。

  • 社会の公器としての企業が経世済民を担うこと
  • 公利公益への志の経営を行うこと
  • あり方を整えて、やり方は臨機応変に変えること
  • 利他と公への貢献の精神こそが全体の幸福と繁栄をもたらすこと
  • 和の精神でもって、様々な人々と創発的なむすひ(統合)を起こすこと

などなど、

日本の先人たちが既に培ってきた
数々の遺産や教えが、
そのまま息を吹き返してくるかのようです。

そして、データム・グループでは、
それらの根底にある「公の階層」
自らが整える上で

祓い、鎮魂、言霊、むすひ
といったことのシステム学習を通して、
1人ひとりが意識進化する道を促してきました。

七澤賢治前代表は、

「公は楽しい、公への貢献が自分にも豊かさをもたらす」

という言葉を残しています。

それを最も現代的な文脈の代表である
SDGsという言葉とあえて交錯させてみるならば、

「現代社会において公への貢献とは、
 具体的にはSDGsの目標達成である」と。

そのように捉え直すことができるのではないかと思います。 

今回は少し抽象度の高い話でもあったので、
次回の記事ではSDGsという、

公的機関や大企業でも難しい問題を、
個人の活動レベルで噛み砕いてみましょう。

後編につづく

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