【古神道と科学】「お祓い」と「エントロピー」の関係とは?

こんにちは。
Element編集部です。

2020年に公開された
「時間からの脱出」がテーマである
映画TENET (テネット)。

この時間を自在に行き来するために必要な
物理学的な概念にエントロピーがあります。

一般的には
「エントロピーの増大」という
熱力学第二法則として知られており、

例えば、
コーヒーにクリームを入れば
クリームがモヤモヤと拡がって、

最後には白っぽいコーヒーになることが
エントロピーの増大です。

普通はこの白っぽいコーヒーを
元のコーヒーとクリームに
分離することは不可能です。

このように
コーヒーとクリームが分かれている状態は、
秩序があり、「エントロピーが低い」状態。

逆にコーヒーとクリームが混ざった
無秩序な状態は、
「エントロピーが高い」と表現します。

このように、
物理現象は秩序だったものから無秩序なものへと

「エントロピーが増える方向に進む」

というのが
熱力学第二法則(エントロピーの増大)です。

このようにエントロピーは一方向に進むので、

「時間の流れはエントロピーが増える向きそのものだ」

とも言えます。

つまりー

エントロピーが増えて行く方向が未来。
エントロピーが減って行く方向が過去。

これが、映画TENETにおいて
時間を脱出し、
自在に行き来するカラクリです。

このように時間の逆行は、
現実世界では不可能に思われますが、

理論物理学者・シュレーディンガーは、
著書『生命とは何か』の中で

「生命が生きていくためには
 負のエントロピーを外界から取り入れることが重要である」

という法則を解き明かしています。

秩序ある方向に向かわせる負のエントロピー

この生命を維持する根幹と、
古神道に伝わる和の叡智
不思議とつながっています。

今回は、
古神道と科学の関係性を
正と負のエントロピーをテーマにお伝えします。

​​ぜひ最後までお読みください。

 

*今回紹介する小野寺さんのお話は、
毎朝、甲府の祝殿でおこなわれる朝のお祓い(朝拝)のあとに、
datumグループスタッフならびに、朝拝にオンラインで参加する
白川学館会員の方に向けてお話いただいた内容を、抜粋して公開するものです。

白川学館の会員さまには、
祭祀での七澤久子代表の貴重なお話や、朝拝での小野寺さんのお話を、
メールマガジン「白川通信」としていち早くお届けしています。

また、白川学館では、800年以上にわたり継承されてきた
白川の「祓い」、「鎮魂」、「神拝作法」、「ご修行」(ボディーワーク)を
祝殿とオンラインで学ぶ環境をご提供しています。

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システム学習法を最大限に活用して、たくさんの方が学びを深めています。

ご興味のある方は、ぜひこちらから詳細をご確認ください。

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穢れとは、エントロピーの増大か?

sunset on the beach of caribbean sea

こんにちは、小野寺潤です。

今日はやや難しい表現になりますけれども
エントロピーという概念について
お話をしたいと思います。

これが公という世界、
また祓いにどう関係してくるのか
という部分について
お話をするわけですけれども、

非常に大事な概念になりますので
皆さんに覚えて頂きたいということがあります。

エントロピーの増大
という表現がよくありますね。

何を意味しているのかと言いますと
例えば皆さんのそれぞれのお部屋があって

部屋で生活をしていると
どんどん散らかっていきますよね。

生活をしていて
散らからない人はいなくて、

ただ人間がそこにいるだけで埃が舞ったり、
色々物が移動したり、
当初の形がどんどん崩れていくわけです。

これをエントロピーの増大というわけですね。

自然界に当てはめますと、例えば水が沼になると
どんどんエントロピーが増大するわけです。

何故かというと、沼がずーっと
じーっと動かないだけで
そこにいろんな微生物が腐敗したり

いろんな物が溜まって
どんどん沼は臭くなっていきます。

そういったものも
エントロピーの増大ということになります。

「負のエントロピー」で元に戻す

White creased paper background texture

ところが、現代社会はどちらかと言いますと
このエントロピーという概念だけが先行して、
その反対の概念が案外
出ていなかったりするんですね。

では、その反対の概念は何かと言うと、
これが「負のエントロピー」と言いまして、

また「ネゲントロピー」という
言い方もするのですが
いったん分かりやすくするために
負のエントロピーということに致します。

先程の沼の例ですと
沼が通常のエントロピーだとすると、

川の水というのは
負のエントロピーで常に綺麗なわけです。

言い方を変えますと
どんどん汚くなっていく方向性が
エントロピーの増大で、

綺麗になっていく方向性が
負のエントロピーの増大
という事になるわけです。

部屋が散らかった場合は
みなさんの負のエントロピーの力で
部屋を片付ければ綺麗になりますよね。

ですから、この負のエントロピーを
使うという事が、実は非常に
私たちにとって大事だということを
言いたいわけなんですね。

お掃除をするとか、片付けの魔法とか
いろいろな本もありますけれども

あれはエントロピーの増大を
要は逆に持ってくる事で

しっかり当初のプラマイゼロに
持って行こうとするわけですよね。

この祝殿の空間もそうですけれども、
普通はエントロピーが増大しますが

しかし負のエントロピーで元に戻すと
そこに神が宿ります

ということを言ってるわけですね。

「負のエントロピー」が存在の条件だった

Background digital image with Earth planet and graphs-2

私たちは日々、
毎朝お祓いをあげているわけですけれども

これは負のエントロピーを
増やすためにやっているわけですね。

空間というのは、時間が経てば
どんどんエントロピーが増大しますので

そこに対して負のエントロピーをあてますと
それがまた元に戻るというわけです。

では何故、この正と負のエントロピーの概念が
必要かと言いますと、これが実は、
「存在」するための絶対条件なんですね。

つまり、エントロピーが増えるだけですと
家の場合でしたらどんどん
汚くなってカビが生えて、腐って朽ち果てる
ということで存在できないですよね。

ですが、ちゃんと手入れをして、
毎日エントロピーが増えたけど
また戻すことを繰り返していますと
存在が出来るわけです。

これは一般的に言われていないというか
気付かれていないのですが、

身体の世界にはこの負のエントロピーが
しっかり働いているんですね。

実は自然治癒力とも繋がってくるのですが、
我々は何故こうやって
存在していられるかと言いますと

食べ物を食べて出して
ということでもそうですし、

呼吸も入れて出すという行為が
実は正と負のエントロピーを
同時に扱っているんですね。

ですから、身体に食べ物を入れると
原子転換する仕組みも
また負のエントロピーの働きです。

お祓いで「負のエントロピー」を増大させる

Skyline of Orlando, Florida from lake Eola.

通常の世界は
正の世界でだけ議論していますよね。

 

そうではなくて、本来必要なのは
この負のエントロピーです。

人間の身体に備わっている
力でもありますけれども

これをどう活用するかが
一番大事なところですが、
一般的には言われていないわけです。

ですから、私たちは毎朝
負のエントロピーを増やすために
お祓いをやっているということになります。

今後皆さんの中で
自分の身体の中でもそうですし、

自分の関わっている空間、仕事場、
家庭といったところで、エントロピーが今、
正に向かっているのか、負に向かっているのか?

こう考えて頂きますと、よろしいかと思います。

より気持ちのいい生活ができ、
脳内も整理され、
単純に頭もよくなるので、

すがすがしい場で、すがすがしい仕事を
またしていきたいと思います。

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