聖徳太子の夢殿にあったものとは?
![Traditional korean architecture roof eaves](https://element.datumhouse.jp/hs-fs/hubfs/Traditional%20korean%20architecture%20roof%20eaves.jpeg?width=1000&name=Traditional%20korean%20architecture%20roof%20eaves.jpeg)
こんにちは、小野寺潤です。
今回は聖徳太子と夢殿のお話です。
聖徳太子は豊聡耳(とよさとみみ)とも呼ばれ、
一度に八人とも十人とも言われる人たちの
声を聞き分けたと言われます。
ところが冷静に考えてみると、
人が話している最中に、
わざわざ声をかける人はいないわけで、
それが八人なんてのは考えられないわけです。
そこで常識的にその逸話を分析してみると、
太子はどうやら多国語に通じていたということが
わかってきました。
中国語はもちろんのこと、
当時の朝鮮語や中近東の言語も
扱うことができたのでしょう。
それだけ聡明な太子ですら悩みは多く、
困った時は法隆寺夢殿で眠り、
夢の中に現れる金人のお告げに頼っていたそうです。
その夢殿に所縁のあるのが、夢違観音。
現在は法隆寺の大宝蔵院にありますが、
夢違観音(ゆめたがいかんのん)
という名前の由来は、
「悪夢を見てもこの観音像に祈れば吉夢に変えてくれる」
という謂れから来ています。
夢違観音の力を発動させる方法
![Kyoto, Japan at the Temple of the Golden Pavilion.-1](https://element.datumhouse.jp/hs-fs/hubfs/Kyoto%2c%20Japan%20at%20the%20Temple%20of%20the%20Golden%20Pavilion.-1.jpeg?width=1000&name=Kyoto%2c%20Japan%20at%20the%20Temple%20of%20the%20Golden%20Pavilion.-1.jpeg)
それで私はこの夢違観音に
何だか不思議な魅力を感じるんですね。
他力本願に聞こえるかもしれませんが、
この観音様がいれば怖いものは何もないな、と。
結局、普段の私たちの思考も夢みたいなもので、
その思考がうっかり実現してしまうこともあるわけです。
であれば、その夢違観音を概念装置として、
自分の中に入れてしまえと、
勝手ながらそう考えた次第なんですね。
この夢違観音は「逆吉の技」
に通ずるところもあり、
したがって、それを念ずることで、
自動的に逆吉が実現するという仕組みになるのです。
ちょうど言霊百神の神の名を唱えれば、
そのお働きが現れるように、
「ゆめたがいかんのん」と言えば、
自動的にそうなるということです。
この辺は厳密には
言霊の発動法にも関わるので、
ただ無条件にそうなるものでもなく、
前提として鎮魂された状態にあることが求められます。
つまり、鎮魂→言霊の発動という順序です。
しかし、これは武術でいうと、
受けて→攻撃するのように二挙動の動作になるので、
一挙動にしないと状況によっては手遅れになります。
よって「ゆめたがいかんのん」という言葉に、
「鎮魂された」という言霊を入れ子にして埋め込むんですね。
するとこの一言でオーケーになります。
何れにしましても夢違観音は、
庶民の味方といいますか、
それを思いついた最初の人は、
本当に心が優しかったのだろうと思います。
(了)