聖徳太子の夢殿にあったものとは?
こんにちは、小野寺潤です。
今回は聖徳太子と夢殿のお話です。
聖徳太子は豊聡耳(とよさとみみ)とも呼ばれ、
一度に八人とも十人とも言われる人たちの
声を聞き分けたと言われます。
ところが冷静に考えてみると、
人が話している最中に、
わざわざ声をかける人はいないわけで、
それが八人なんてのは考えられないわけです。
そこで常識的にその逸話を分析してみると、
太子はどうやら多国語に通じていたということが
わかってきました。
中国語はもちろんのこと、
当時の朝鮮語や中近東の言語も
扱うことができたのでしょう。
それだけ聡明な太子ですら悩みは多く、
困った時は法隆寺夢殿で眠り、
夢の中に現れる金人のお告げに頼っていたそうです。
その夢殿に所縁のあるのが、夢違観音。
現在は法隆寺の大宝蔵院にありますが、
夢違観音(ゆめたがいかんのん)
という名前の由来は、
「悪夢を見てもこの観音像に祈れば吉夢に変えてくれる」
という謂れから来ています。
夢違観音の力を発動させる方法
それで私はこの夢違観音に
何だか不思議な魅力を感じるんですね。
他力本願に聞こえるかもしれませんが、
この観音様がいれば怖いものは何もないな、と。
結局、普段の私たちの思考も夢みたいなもので、
その思考がうっかり実現してしまうこともあるわけです。
であれば、その夢違観音を概念装置として、
自分の中に入れてしまえと、
勝手ながらそう考えた次第なんですね。
この夢違観音は「逆吉の技」
に通ずるところもあり、
したがって、それを念ずることで、
自動的に逆吉が実現するという仕組みになるのです。
ちょうど言霊百神の神の名を唱えれば、
そのお働きが現れるように、
「ゆめたがいかんのん」と言えば、
自動的にそうなるということです。
この辺は厳密には
言霊の発動法にも関わるので、
ただ無条件にそうなるものでもなく、
前提として鎮魂された状態にあることが求められます。
つまり、鎮魂→言霊の発動という順序です。
しかし、これは武術でいうと、
受けて→攻撃するのように二挙動の動作になるので、
一挙動にしないと状況によっては手遅れになります。
よって「ゆめたがいかんのん」という言葉に、
「鎮魂された」という言霊を入れ子にして埋め込むんですね。
するとこの一言でオーケーになります。
何れにしましても夢違観音は、
庶民の味方といいますか、
それを思いついた最初の人は、
本当に心が優しかったのだろうと思います。
(了)