お話をしてくれた人
小野寺潤
宮城県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ユダヤ教をはじめ世界各国の宗教と民間伝承を研究後、白川神道、
言霊布斗麻邇の行を通じ、新たな世界観に目覚める。
現在は、多彩な執筆活動と並行して、一般社団法人白川学館理事、
ラボラトリオ株式会社代表取締役、neten株式会社顧問を務め、
日本と米国に意識変容のためのデジタル技術を普及すべく、東京と山梨を拠点に、
さまざまなプロジェクトに力を入れている。
大野靖志(おおの・やすし)として著書『成功の秘密にアクセスできるギャラクシー・コード』
『あなたの人生に奇跡をもたらす 和の成功法則』
『願いをかなえるお清めCDブック』(サンマーク出版)、
『とほかみえみため~神につながる究極のことだま~』(和器出版)などがある。
*このお話は、2020年4月に開催された特別講演の内容を再編集してお届けしています。
イザナギとイザナミの神話に隠された「対称性の破れ」
対称性をより理解して、これから様々な活動をする中で
必要な考え方になる古事記の一節をご紹介します。
有名なイザナギとイザナミの神話の背景には、
元々イザナギとイザナミが高天原にいた状態
というのがあるんですが、
この時は夫婦が仲の良い状態ということなんですね。
夫婦が仲良く高天原に暮らしていました、と。
ところが、その後、
イザナミが火之迦具土神を産んで、
体を壊して黄泉の国にいってしまうわけですね。
このことで、
もともとあったバランスが崩れてしまいます。
つまり、これまでのバランスが崩れることによって、
イザナギとイザナミのあとの世界が生まれてくるわけですね。
イザナギ、イザナミ神話というのは
先ほどの対称性理論でいうと、
量子力学の理論の相似形ともいえます。
神話から紐解くといいますか、
これからの我々のあり方にもつながってくるわけです。
要はイザナギ、イザナミというのが
高天原から出てきて、バランスが崩れた状態があって、
神話で有名なワンシーンの通り、
イザナミが黄泉の国にいったのを
イザナギが一生懸命追いかけますよね。
そして追いかけることによって、
ますます宇宙全体のバランスが崩れるわけですね。
それで、この現実界が生まれると。
それから今度は
イザナギがイザナミを追いかけると、
黄泉津大神といって
イザナミが地獄の神様になって
自分の部下をつかって、イザナギを追いかけてくるわけです。
「よくも私の恥ずかしい姿をみてくれたな」と。
神話と現代が対称性通信をしている
ここで勘のいい方は、お分かりでしょう。
この状態こそが、
現代の社会にあたる、ということです。
ですから、
この現代が生まれる前の状態が、高天原なんですね。
そのバランスが崩れて、
イザナミが黄泉の国にいって、
今度はその黄泉の国から
イザナギを追いかけてきたということで、
ここで混沌状態が起きているわけですね。
その状態が今、
この現世に対称性通信としてあらわれているわけです。
古事記の神話で伝えられている
神々の誕生と創成のありようが、
まさに対称性通信によって、
現代社会の姿としてあらわれているということです。
しかし、さらにその続きがあるんですね。
この次のステップはどうなるかというと、
イザナギが追いかけてくる
黄泉醜女の鬼たちがいますよね。
それに対して、桃の実をぶつけるんですよ。
そうすると追いかけてきた悪魔たちが
そこで退散していくんですね。
これは、どういうことを意味するでしょうか?
覇道主義を終わらせる「正しい言霊」とは?
これはつまり、
追いかけてきた黄泉の国の世界というのが
西洋の覇権主義なんですね。
その支配主義に対して桃の実を投げるのが、
我々の役目だということです。
実は桃というのは、
百(もも)という意味もありまして、
これが何を表すのかというと、もうお分かりですね?
つまり「言霊百神」ということなんです。
だから私たちは
この混沌の時代に黄泉津大神という、
いわゆる西洋の覇権主義に追いかけられてきて、
つかまると死んでしまいますよね。
しかし桃の実を投げてぶつけていくと、
どんどん悪魔たちが退散していくんですね。
ですからここで大事なことは、
私たちがまず桃の実を持っていないと、
ぶつけるものがない、ということなんですね。
オレンジやバナナじゃダメなんです、桃でないと。
桃というのは言霊百神ですから、
これをぶつけることで退散するということなんですね。
我々は、正しい言葉、正しい言霊を使うことで、
西洋の覇権主義、支配主義を終わらせるという
役目をもっているんですね。
だから時代的には、
ちょうどそのあたりにいるということなんですね。
新たな創造の始まりに必要なもの
ではその後がどうなるかというと、
まだ続きがありまして。
桃の実でやっつけて成敗すると、
みんな消えていくんですね。
そこで消えた後に、
イザナギが川で自分の体を洗いますと、
天照大御神とスサノオ、ツキヨミが生まれるんですね。
ですから、新しい子どもが生まれることが、
次なる国生みへとつながっていくんですね。
それで次なる国生みを終えると、
イザナギはまた高天原に戻っていくと。
では戻ってからはどうなるかというと、
イザナギは、伊邪那岐大神という神になるんですね。
もともと高天原にいたときよりも
さらに上の階層の神になるんです。
より強力な力をもって、高天原に戻るんです。
ですからこれまでのお話をまとめますと、
今現在、私たちが置かれている状況といいますのは、
もともと平和だったところから、
歴史の中で黄泉の国へいくと。
ところが、もうその時代が
終わりを迎えようとしているということで
一生懸命追いかけてくる
覇権主義の人たちがいますが、
それに対して、
私たちは桃(言霊)を手にした、ということなんですね。
そこで桃をぶつけることによって、
新しい神、この場合は、
イザナミから生まれた火之迦具土神ではなくて、
イザナギから生まれた
天照大御神とスサノオ、ツキヨミになりますが。
これらの神々は
対称性理論になっているんですね。
つまり、これまで相似形の話をずっとしていますよね。
ですからこういった
相似形のなかで広げたり縮めたりしながら、
ストーリーというのは出来てくるわけでして、
私たちは最終的にどういうことになるかというと、
桃の実をぶつける役目を終えた後、
我々は伊邪那岐大神になります、ということなんです。
それで伊邪那岐大神こそが、
言霊「イ」なんですね。
この言霊「イ」が、
言霊のなかで最も力をもちます。
この言霊「イ」から、
あらゆる言葉、あらゆる現象が生まれてくるんです。
ですから私たちは
そういったお役目を終えて高天原の住人となりまして、
伊邪那岐大神になると。
そしてまた、
次なる創造に向かうという、
そういったストーリーになっているということです。
そしてもちろん、このストーリーの中には
IUT理論も入っていますし、
ABC予想も対称性通信も入ってくるということになるんですね。
いかがでしたか?
2回に渡って、難解な
「IUT理論」「ABC予想」そして「古事記」の関係を
噛み砕いて解説いただきました。
支配と被支配の二項対立が争いを生む
覇道の時代を終わらせるカギは、
「言霊百神」にあります。
日本語の50音の一音一音には神のおはたらきが宿ると言われます。
その内容をさらに詳細に解説したのが、
七澤賢治 datumグループ代表の師である
小笠原孝次氏の著書「言霊百神 古事記解義」
ぜひ、こちらの本もチェックしてみてくださいね。